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  • 執筆者の写真Yuko NITTA

資生堂が視覚障害者向けの美容セミナーを開催



資生堂が視覚障害者向けの美容セミナーを開催したというニュースがありました。

 

 資生堂22日、大阪市内で視覚障害者向けのオンライン美容セミナーを初めて開催した。新型コロナウイルスの影響でソーシャルディスタンスの確保が求められているため試験的に実施。5月以降、本格展開する考え。

 30~50代の女性が参加し、60分間で顔のたるみを防ぐエクササイズやスキンケアを学んだ。講師は指導にジェスチャーを使えないため「手をグーにして指の方を内側に」などと動作を言葉で細かく伝えていた。

 セミナー終了後、担当した講師は「(直接肌に触れられないなど)非接触ならではの難しさを感じたが、参加者の笑顔が見られて良かった」と話した。


2021年2月22日 JIJI.COM

「視覚障害者向け美容セミナー オンライン式、5月に本格展開―資生堂」より引用

 

今回はお肌のお手入れがテーマだったようですが、資生堂は、視覚に障がいのある方でも自身で簡単に実践できる独自の化粧法「ガイドメイク」というものも開発しています。ガイドメイクは、自身の手指を顔に当ててガイドラインにしながら、それに沿って、眉を描いたり、口紅を塗ったりするものです。


視覚障害者の方のメイクとしては「ブラインドメイク」というものもあり、一般社団法人日本ケアメイク協会がその普及に努めています。ブラインドメイクも、鏡を見ずに自力でフルメイクができるという技法です。


同法人の理事長の鈴木加奈子さんは、非常に麗しい女性とお見受けしますが、インタビューで、視覚に障害のある立場からブラインドメイクの効果などを素敵におはなしされています。


美容医療のかかりつけわたしの名医「視覚障害を持つ方々の人生を輝かせたい。日本の「ブラインドメイク」から世界の「ブラインドメイク」に。」


視覚障害者の方は「目が見えないのに何のためにメイクするの?」と言われてしまうことがあるそうですが、メイクをすることによって気持ちがポジティブになりますし、周りの人に対しても自信をもって接することができるようになるので、メイクのプラス効果は大きいのです。


自分だって、朝メイクをした後、一日中忙しくてほとんど自分の顔を見ない日は多くあります。それでも、朝メイクをするのは、気持ちをシャッキッとさせるためであったり、日中接する周りの方に気持ちよく思っていただくためです。どうせ自分の顔を見ないのだから、メイクしなくてもいいや、とはなりません。このように考えると、実は、目が見えても、見えなくても、メイクの必要性はほぼ同じですし、メイクに求める効果も大部分は同じといえるのではないでしょうか。


視覚に障害がある方だったり、男性だったり、自分とは属性が少し異なる方がメイクやスキンケアで生き生きしているのを見ると、美容の社会的意義を再認識させられます。


メンズメイクについては、ブックレビュー「大人男子の「超」清潔感ハック 宮永えいと」という本のご紹介をしていますので、こちらもご覧ください。


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