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  • 執筆者の写真Yuko NITTA

休業要請に応えてスタッフを休業させる場合の休業手当


不可抗力による休業の場合、支払義務はありませんが、不可抗力でない場合、平均賃金6割以上の支払義務があります。


労働基準法第26条によると、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。ただし、不可抗力による休業の場合は、支払義務はありません。


厚生労働省は、以下の①②に該当した場合には「不可抗力による休業」に該当するとしています。


①原因が事業の外部により発生したもの

営業を自粛するよう協力依頼や要請などを受けた場合これにあたる。


②事業者が通常の最大限の注意を尽くしてもなお避けることができない事態によるもの

使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしていることが必要。例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか、労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか、など。


ネイルサロン、まつげエクステンションサロン、エステサロンなどの美容サロンの場合、多くの都道府県では休止要請の対象となっていますので、①の要件は満たすことが多いと考えます。また、ネイリスト、アイリスト、エステティシャンは直接お客様に施術を行うのが主な業務であり、テレワークは不可能な場合が多く、②の要件も満たすことが多いと思われます。ただし、一定以上の規模の会社などでテレワークで対応作業な事務作業がある場合などは、②を満たさないと解釈される可能性もありますので、ご留意ください。


以上からすると、美容サロンが休止要請に応じて休業をする場合には、法律上休業手当の

支払義務は生じないケースが多いとわれます。ただし、スタッフの生活を守るために、休業補償を支給した上で、雇用調整助成金の受給をすることが望ましいことはいうまでもありません。雇用調整助成金の受給にも一定の要件がありますが、美容サロンの場合、多くの都道府県では休止要請の対象となっていますので(正確には各都道府県のHPでご確認ください)、①100%の休業手当を支払い、②上限額8,830円以上の休業手当を支払っている場合、従業員に対して支払った休業手当の満額が雇用調整助成金として支給されます。


雇用調整助成の詳細はこちら↓


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