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執筆者の写真Yuko NITTA

美容サロンの新型コロナウイルス感染と損害賠償


万一お客様から新型コロナウイルスに感染した場合、ケースによっては損害賠償請求も可能です。ただし、そうならないように入店ルールを設置し予防をしましょう。

新型コロナウイルス感染拡大の中、営業を継続しているサロンにおいては、万一お客様からサロンスタッフ等が感染してしまうリスクも心配だと思います。


既に多くのサロンで行われていると思いますが、発熱のある方や体調のすぐれない方の入店をお断りすることは、法律的には問題ありません。また、入店時のアルコール除菌やマスクの着用をお願いし、応じてくれない方の入店をお断りすることも、現状においては相当性が認められますので、問題がないと考えます。


万一、新型コロナウイルスに感染しているお客様が美容サロンに施術を受けに来た結果、サロンスタッフ等が感染した場合、損害賠償請求ができるか否かはケースバイケースの判断となります。感染を知りながらこれを意図的に秘匿して来店したような場合には、法律上は、不法行為(民法709条)に該当するものとして、サロンと感染したスタッフ本人から損害賠償請求が認められる可能性があります(ただし、そのお客様から感染したということの立証は容易でないと思われます)。お客様も自らの感染を知らなかった場合には、故意も過失も認められず、不法行為は成立しない可能性が高いと思われます。ただし、同居している家族が感染しているなど、常識的に考えれば自分の感染も強く疑われるような場合には、過失ありと判断され損害賠償請求が認められる可能性もあります。


損害賠償請求が認められる場合、損害損害に含まれるのは、サロンについては消毒費用、休業損害等(ただし当該感染と因果関係のある休業損害のみ)、感染したスタッフ等については、治療費、慰謝料、休業損害等(ただし当該感染と因果関係のある休業損害のみ)です。


ただし、損害賠償請求は最悪の事態が起こった場合の最後の手段に過ぎません。サロンとしては、こうならないように、入店のルールを設置しましょう。具体的には、お客様に、発熱がないこと、体調に変化がないこと、過去14日間に海外渡航歴がないこと、その他感染が疑われる状況がないこと等を確認していただき(入店時に簡単なフォームにチェックいただくなど)、更に、手の消毒やマスクの着用をお願いして、入店していただくのがよいと考えます。


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