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執筆者の写真Yuko NITTA

トリコがポーラ・オルビスホールディングスにM&A



美容D2CブランドのFUJIMIがポーラ・オルビスホールディングスの傘下に入りました。

 

ポーラ・オルビスホールディングス(東証:4927、以下、ポーラと略す)の出した適時開示情報によると、パーソナライズサプリメントやパーソナライズフェイスマスクブランド「FUJIMI」を開発・提供する D2C スタートアップのトリコがポーラに買収されたことが明らかになった。買収金額は38億円。

(中略)

トリコは2019年4月に XTech Ventures と野口卓也氏から3,000万円(シードラウンド)、同年10月にポーラの CVC である POLA ORBIS CAPITAL と XTech Ventures から1.5億円(プレシリーズ A ラウンド)を調達していた。ポーラはこれまでトリコの株式10.56%を保有していたが、残りの89.44%(16,100株)を代表の花房氏、XTech Ventures、野口氏らから現金で買い取り完全子会社化する。


 

FUJIMIについては、以前、私が注目しているブランドとして「美容D2CブランドFUJIMIに注目」で紹介させていただきました。FUJIMIは、インターネット上の美容診断に基づき、自分に合ったサプリ又はフェイスマスクを購入することができるサービスを提供しており、私自身もこちらのサプリとフェイスマスクを使用しています。ポーラ・オルビスホールディングスは、ポーラ、オルビスを基幹ブランドとし、THREE やJurliqueも有する化粧品グループです。


この件について「M&Aする」「買収される」「傘下に入る」「完全子会社化」などと様々な言葉が使われていますが、基本的に同じことを言っています。つまり、FUJIMIを運営する株式会社トリコの全ての株式をポーラ・オルビスホールディングスが所有することになった、ということです。もともとポーラ・オルビスホールディングスは、10.56%の株式を持っていましたが、今回、他の株主から株をすべて買い取って、100%になった、ということです。


よく、「会社は誰のもの?」という質問がありますが、会社は株主のものです。社長のものでも、従業員のものでもありません。なので、株式を100%持つということは、その会社を完全にコントロールできるということです。コントロールとは、例えば、自分のよいと思う社長を選ぶことなどです。株主は社長を選任する権利、解任する権利を持っています。


このようにいうと、「トリコは株式を全部買われちゃったなんてかわいそう・・・」と思った方がいるかもしれませんが、これは全く違います。ベンチャー企業の目標は、多くの場合、①株式上場か、②M&Aで株式を買ってもらうことです。魅力のある会社、利益性のある会社を作ることにより、①又は②を目指します。これらを達成すると、通常創業者は、株価上昇または売却益で大きな利益を上げられますので、金銭的なメリットも大きいです。今回のトリコは、②を達成しました。わずか3年で、ポーラ・オルビスホールディングスという大企業に認められるまで会社を成長させたのですから、本当に大したものです。


代表取締役の花房さんのnoteも、投資家の方やここまで一緒に会社を作ってきた取締役の方への想いがストレートに表現されていて、熱い思いが伝わるものでした。美容系の事業家の皆様にも非常に参考になる内容だと思いますので、ご覧ください。


2021年2月12日 トリコ株式会社「トリコを3年経営した感想と感謝の想い」


これからもトリコの成長に期待したいと思います。


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