• Yuko NITTA

ブックレビュー「女の運命は髪で変わる 佐藤友美」


この本は、髪のお手入れが人生に与える重要さを説く本です。髪がどれだけその人の印象を左右するかということや、髪型のオーダーの仕方、シャンプーの仕方など、具体的にとるべき行動がアドバイスされています。


この本の主要なメッセージの一つは、「自分に似合う髪型」を探すのではなく、まず「なりたい自分」を明確にし、「それに合致する髪型」にするということです。例えば、仕事で成功したいウェディングプランナーさんであれば、頼れそうな先輩感があり、ただし新婦に嫌がられるほどのフェロモンは出さず、業者にも対等に見てもらえる『前下がりボブ』、出会いを求めたいのであれば、毛先をゆるく巻いて前髪をふわっと斜めに流した、いわゆる『モテ髪』などということです。


先日美容室に行ったとき、美容師さんに「前髪を作ってみたい気もするのですが、似合うでしょうか?」と聞いたところ、「似合うとは思うけど、イメージは仕事ができる系でしょ、だったら前髪はないほうがいいよ。」と言われました。今考えると、この美容師さんの発言も、この本のとおりだったのだと思います。私は仕事ができる系にしたいという希望を伝えたことはなかったですし、そもそも自分でも意識していませんでしたが、美容師さんは、私が言わなくとも、会話の中などから、きっとこの人はそういうイメージを希望しているのだろうと判断してくれていたのだと思います。そして、改めて考えると、確かにそういうイメージを希望していたのだと思います。


この本が説くように、なりたい自分に合わせた髪型にする、というのは、非常に合理的な考え方だと思います。女子アナを目指すなら好感度の高いセミロング、キャリアウーマンを目指すならストレートボブや後頭部高めの知的ヘア、やさしいお母さんを目指すなふわっとしたセミロングヘアなどでしょうか。社会が特定の集団に対して持つイメージというのはどうしてもあるので、それに合わせる形で自分を作っていくと、確かに社会の中では生きやすいです。私自身も、クライアントから見て不自然でない髪型かどうか、ということは、やはり考えてしまいます。


ただ他方で、社会が求めるイメージに自分を合わせすぎるのも、少し窮屈でもあるような気もします。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOや堀江貴文さんなどは、こういう型を破り、社長もTシャツで、という新しいスタイルを貫き、ある程度社会に浸透させました。これは自分に対する自信と世間に対する吹っ切れ感がないとなかなかできないことであると思います。


なりたい自分に合わせた髪型にするというのは、非常に合理的かつ現実的なアドバイスなので、今後活用させていただきたいと思います。それとと同時に、世間のイメージを破る選択肢を取った方には敬意を払うと共に、その自信と吹っ切れ感を見習いたいとも思いました。


実用的でありながら、髪型は非常に社会的なものでもあるということを考えさせられる、美容好きにおすすめしたい良書でした。