• Yuko NITTA

顧問弁護士って必要?



私は美容系の会社や法人の顧問弁護士という仕事もさせていただいておりますので、今日は顧問弁護士とは何なのか、必要なのかについてお話させていただきます。


顧問弁護士とは、会社と弁護士の間で顧問契約を締結し、それに基づき弁護士が会社に対し 一定の法的サービスを提供するものです 。


顧問料に何の業務が含まれるかは、弁護士によりますが、電話メール等による相談で、調査を要せず直ぐに回答できる内容のものまでを含む場合や、相談方法や調査の要否に関わらず月3時間程度の相談を含む場合など、色々なパターンがありえます。最近では、実際の業務は何も含まず、顧問弁護士と言う名前をHP等にのせられるだけというケースもあるようです。


顧問料は多くの場合月額いくらという形になっており、基本的に、何の業務が含まれるかによって変わってきます。日本弁護士連合会が2009年に行ったアンケート結果(日本弁護士連合会「中小企業のための弁護士報酬の目安[2009年アンケート結果版])によると、 相談方法や調査の要否に関わらず月3時間程度の相談を含む場合、5万円と回答した弁護士が52.7%でした。


私の場合には、現状は、1社あたり月額数万円を頂戴し、時間の制限なく、日常的な相談や、日本語・英語の契約書の作成・確認までさせていただいています(信頼関係のあるクライアントの方ばかりですので、作業量が非常に多くなりそうな場合には別途の費用を予めご相談させていただくことはあります。)

 

顧問弁護士のメリットは以下のようなものであると思います。


1 困ったときにすぐ相談できる

例えば、美容クリニックから、患者様よりクレームの電話が何度もかかってきてどうしたらいいか、カルテの開示を要求されたがどうすればいいか、など、急ぎで対応する必要のある相談を受けることがよくあります。また、契約書のレビュー等についても 、明日までに確認が必要というようなことはよくあります 。このような場合、一から弁護士を探していたのでは間に合いませんので、顧問弁護士がいると安心です。


2 会社のことや事業のことをよく分かっている弁護士に頼める

顧問弁護士は、会社の事業内容や、経営者の個性や経営方針(例えば、非常に慎重な方であるとか、スピード感をもって新規事業にどんどんチャレンジしたい方だとか)を理解していますので、それにあった的確なアドバイスができます。私の友人で、外資系の大手法律事務所に勤務している友人がいるのですが(その事務所は弁護士の時給もかなり高額です)、クライアントとの打合せで、担当者の方から事業内容の説明を受けた際に、その方に「こちらが説明しているのになぜこの時間も弁護士費用が発生するのですか」と言われたと言っていました。なるほどこれはもっともなご意見です。弁護士としては、事案を処理するためには背景事情を伺わないといけないので、事案処理の一環としてこの時間も費用を頂戴するわけですが、クライアントの方からしたら、納得しにくいかと思います。顧問弁護士の場合、このような時間と費用の無駄は生じにくいといえます。


3 会社のコンプライアンスが高まる

私のクライアントで、ほとんど相談はない予定なのだけれども保険・安心料として顧問契約を締結したいとおっしゃり契約をしてくださった会社がありました。私からは、せっかく契約したからには使い倒してくださいと申し上げました。その会社さんは、たぶん何もないと思うと繰り返していらっしゃったのですが、実際にはじまってみると、契約書もトラブル対応もたくさんありました(!)。おそらく、顧問弁護士がいることで、今まであまり気に留めていなかった契約書もきちんと確認を依頼したり、お客様とのちょっとしたトラブルもすぐに相談したりするようになり、会社全体が自然と「トラブルは未然に予防する」「トラブルの芽は小さいうちに摘む」ようになったのではないかと思います。このように、自然と会社のコンプライアンスが向上することはメリットの一つです。


4 個別に依頼するよりも弁護士費用がお得になりえる

これは、顧問契約にどこまでの業務内容が含まれるかによるのですが、顧問契約の方がお得になることはあり得ます。私のように、顧問料に契約書の作成・レビューまで含む場合、毎月契約書の確認が必要になる会社であれば、基本的にお得になると思います。逆に、年に1回くらいしか相談することがないのであれば、お得にはならないと思います。


5 取引先等に顧問弁護士がいることを伝え信頼を得られる

顧問弁護士がいると、取引先などから コンプライアンスのしっかりしている会社であると 思ってもらえることはあると思います 。また、取引先と 交渉をしているときに「この件は顧問弁護士にも確認した結果、この処理が正しいと言われています。」などと言えれば、信頼感が高まることもあるかもしれません。


以上のとおり、顧問弁護士は色々なメリットのあるものですが、これが必要かは会社によると思います。一定数以上の取引先があり定期的に契約書のやり取りがある場合や、美容クリニック・アートメイクなど法規制の多い事業の場合は、おすすめできると思います。逆に、自宅ネイルサロンのような小規模なビジネスの場合には、必要な時にスポットで弁護士に依頼することでもよいと思います。良心的な弁護士の場合、無理に顧問契約をすすめることはしませんので、会社の実情を説明し、顧問契約をすることにメリットがありそうかどうか、相談してみてもよい思います。また、冒頭でも触れましたが、一言で顧問契約といっても、いくらの顧問料に何が含まれるというプランは弁護士によりますので、プランの内容はしっかり確認し、ご自分に合ったものを選ぶようにしてください。


関連する内容として、以前「弁理士、税理士などの専門家はどう使い分ければよいか」という記事を書いていますので、こちらもご覧いただけますと幸いです。