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  • 執筆者の写真Yuko NITTA

美容業界が消費生活センターについて知っておくべきこと



美容業界の皆さんは消費生活センターと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。少し怖いようなイメージでしょうか。今回は美容業界の方が知っておくべき消費生活センターの活動についてご説明したいと思います。


まず、消費生活センターとは、地方公共団体が設置する行政機関で、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付けています。「港区消費生活センター」「八王子市消費生活センター」など、各市町村に設置されています。ちなみに、独立行政法人国民生活センターは、政府が出資する独立行政法人で、消費生活センターと連携して、消費者相談業務などを行っています。


まつげエクステンションサロン、ネイルサロン、エステサロンなどの美容サロンや美容系のスクールなどを運営していると、ごくたまに、消費生活センターから電話がくることがあります。


例えば、「●●さんが、まつげエクステンションで目が腫れたので補償してほしいと言っています。どのように対応してもらえますか。」「●●さんが、まつげエクステンションスクールを途中でやめたら、残金が返ってこないといっています。返せませんか。」などと言われます。いきなり電話がかかってくるので驚きますし、どう対応したらいいのか焦る方も多いです。


まず、なぜこのような電話がかかってくるかというと、消費者ホットライン188というものがあるからです。消費者トラブルで困ったと思う消費者は、ホットライン118に電話をすることができ、そうすると最寄りの消費生活センターにつながり、相談をすることができます。その上で、消費生活センターの相談員が消費者に代わって直接事業者へ連絡をし、交渉をしてくることがあるのです。


相談員の方は弁護士ではありません。したがって、通常は、法律に基づいて理論的に攻めてくるという感じではありません。どちらかというと、近所で信頼されている良識ある女性又は男性が、近所のトラブルを解決するために、間に入ってまとめようとしてくるようなイメージです(あくまで私の個人的な感想です)。おっしゃっていることが法律的にもっともだということもあれば、そうでもないこともあります。


このような電話があった際には、お話を一通り聞いた上で、まずは、「事実確認をさせていただいた上で、対応を検討し、改めてご連絡させていただきます。」と答えるのがいいと思います。「●●さん」というのが、いつ何を契約したお客様かすぐに分からないことが多いですし、事実が曖昧なまま答えることは得策でないからです。次に、電話を切った後、該当の契約書などを探し、「●●さん」について何があったのか、事実を確認して下さい。その上で、相談できる弁護士がいる場合には相談して下さい。弁護士は、法的にどのような対応が必要かを検討し、サロンやスクールに回答方法をお伝えします。私の場合には、顧問先のサロンやスクールを代理して、直接相談員に電話をしてこちらの意見を伝えることもあります。もし相談できる弁護士がいない場合には、確認した事実に基づき、社内で対応方針を決めて、相談員に連絡することになります。


こちらが、先方の希望に沿わない回答をした場合、相談員の方は「はいそうですか」ということにはなりにくく、「せめて●●円くらいは払えませんか」などと、粘ってくることもあります。こういうとき、弁護士であれば、法的にこういう理由でこのような対応しかできません、どうしてもそれ以上ご希望であればご自由に訴訟等をご検討ください、とシャットダウンすることが多いです。弁護士でない場合は、なかなか難しいかもしれませんが、社内の検討結果とその理由をはっきり伝えることはできると思います。


最後に、消費生活センターからの電話は、裁判ではありませんし、言われたことに従わなければならないというような法的拘束力はありません。しかし、だからといって適当にあしらってよいわけではありません。不満を持っているお客様がいるという事実はまさに「トラブルの芽」ですので、この段階で、きちんと対応しておくことが大事です。どのように対応するのが法的に正しいのか、コスト的にはどのような対応に合理性があるのか、お客様の要望に応えなかった場合にお客様が裁判をしてくるリスクはどのくらいあるのか、裁判になった場合勝訴可能性はどの程度あるのか、など多角的に分析をする必要があります。小火(消費生活センターからの電話)を放っておいたら大火事(裁判)になったということもありますので、気を付けましょう。対応方法に不安がある場合には、弁護士に相談していただくのがやはりおすすめです。

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