2021年1月に緊急事態宣言が再発令されたことに伴い、経済産業省は、売り上げが減少した中小企業には最大40万円、個人事業主には最大20万円の給付金を支給することを発表しました。
一部の報道では、飲食店の取引先に対するものであると言われていますが、実際の経済産業省の発表を見ると、対象はより幅広くなっています。
2021年1月15日時点の情報では、以下のようになっています。
経済産業省「緊急事態宣言の再発令を受けた経産省の支援措置について」より引用
まず、対象については、緊急事態宣言発令地域またはそれに準じた地域ですので、緊急事態宣言が発令していない地域の方は、ご自身の地域が「それに準じた地域」になるか否か、今後の情報に着目して下さい。
次に、要件については、まずは、①緊急時地発令地域等の飲食店との直接・間接の取引があること、または、②に緊急事態宣言発令地域等における不要不急の外出・移動の自粛にによる直接的な影響を受けたこと、です。②は、旅館、土産物屋、観光施設、タクシー事業者等の人流減少の影響を受けた者を想定、とされています。
ここでの問題は、美容サロンが②に該当するかですが、文言の解釈としては、該当し得ると思います。美容サロンは、例示の中には含まれていませんが、美容サロンでも、お客様が外出を控えた結果サロンに来なくなる、ということは十分にありえるからです。外出自粛をしていたから何カ月も美容室に行かなかった、というような話はよく聞くものです。今後、経産省から、別の解釈が出る可能性もあるかもしれませんが、弁護士の文言解釈としては、この抽象的・一般的な文言の中から美容サロンが排除される理由はないと思います。
次に、上記①または②により、本年1月または2月の売上高が、前年の1月または2月と比べ、50%以上減になっていることが必要です。これは単純に、ご自身の事業の売上を計算して下さい。なお、現在まだ1月ですので、事業者によっては、2月の売上はコントロールできてしまう、つまり、前年の50%以上減になるようにあえてお客様を取らないなどができてしまうように思います。
次に、給付金は、法人は最大40万円、個人事業主は最大20万円です。
例えば、以下のような事例で計算してみましょう。
2020年1月の売上:50万円 2021年1月の売上:30万円
2020年2月の売上:50万円 2021年2月の売上:20万円
(2020年1月+2月の売上)-(前年比50%以上減の月である2021年2月の売上×2)
(50+50)-(20×2)=60
ただし上限40万円なので、受給できるのは40万円となります。
最後に申請方法は、確定申告書、売上台帳と共に、チェックボックス式の宣誓書を提出するシンプルな方法が予定されています。いつから申請できるのかは未定です。
以上は、2021年1月15日時点の情報の解説ですが、今後変更になることもありますので、最新の情報を確認して下さい。
Comments