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執筆者の写真Yuko NITTA

五輪組織委員会女性理事12人追加についてこう思う


東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は、新たに女性理事を12人起用することを決めました。

 

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は2日の理事会で、新たに女性理事12人を起用する方針を決めた。森喜朗前会長の女性蔑視発言で失った信頼の回復に向けた施策の一環で、関係者によると五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さんらが含まれる。理事に占める女性の比率は従来の2割から4割に高まる。


2021年3月2日 日本経済新聞

「五輪組織委、女性理事新たに12人 高橋尚子さんら起用」より引用

 

ご存知のとおり、これは元会長の森氏の不適切発言が契機となった改革の一環です。


また、同じ時期に、東京大学でも、2021年度からの新執行部の体制で女性を過半数とすることを決めたというニュースもありました。


このように、決定権のあるポジションの女性割合を増やすことについて、私は、素晴らしいことで、非常に重要なことである、と思います。女性の割合が増えることで、女性でも意見を言いやすい環境ができますし、出産育児等で休んだりすることが悪いことではなく「当然」という雰囲気もできますし、女性がトップにいることの違和感がなくなり、自然とこれを目指そうとする若い人も増えると思います。


女性の割合だけ増やしてもしかたない、能力のない人を女性というだけで重要なポジションに置くと社会全体にとってマイナスで、その女性にも酷、などという意見もありますが、今まずできることは、やはり女性の割合を増やすことだと思います。確かに、女性の割合を増やすことはゴールではありませんし(ゴールはLGBTQも含む多種多様な人が生きやすい社会を作ること)、過渡期に苦労する女性もいると思います。しかし、社会全体を変えるには、ドラスティックに制度を変えるしかないのでしょうか。能力のある女性がいない、適任の女性がいない、などとよく言われますが、今のような男性中心の世の中なので、能力のある女性が生まれにくいだけだと思います。ポジションが人を育てるものなので、女性が重要なポジションにつくようになれば、リーダースキルの高い女性が自然と増えてくるはずです。


これからこのように、社会全体で女性の割合を増やす動きが活発になった場合、私を含む、現在30代~50代の女性は、社会の変革のために特に頑張る役割を負うことになると思います。つまり、まだあまり経験もないのに女性なので重要なポジションにつく、先輩の男性を飛び越えてポジションを与えられる、ということが起こると思います。


実際私もそういうことがあります。ある役職が与えられ、これは明らかに「女性だからだな・・・」と思うことがあります。そのときはやはり不安で、断りたい気持ちになります。もっと経験のある男性がたくさんいるのになぜ、私では力不足だ、周りの人も私が女性だからだと分かっているはずなので気まずい、上手く出来なかったときにやっぱりと思われたらどうしよう、ここで失敗するとかえって将来にとってマイナスになるのでは、など、色々な心配が頭をよぎります。


しかし、私自身は、このようなときチャンスは受け取ることにしています。ここで自分が引き受けなかったら結局社会は変らないからです。少しきれいごとのように聞こえてしまうかもしれませんが、過去に数々の女性が血のにじむ努力をした結果、私の世代の女性は、男性と対等に教育を受け、選挙に行き、雇用の機会も得られているので、将来のために自分ができる貢献はしたいなと本当に思います。日本で女性が弁護士になれるようになったのは、1936年のことで、わずか85年前のことです。このような改革がなければ今の私の立場もなかったことになります。もちろん、社会のために自己犠牲にしているだけではなく、足の速い人とかけっこをすると自分のタイムも伸びるように、多少負荷をかけた方が能力は伸びると考えているので、自分自身のためにもなるはずだと信じています。また、やるからにはなるべく楽しんでやるようにしようとも思っています。


皆さんは、決定権のあるポジションの女性割合を増やすことについて、どう思いますか?



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