• Yuko NITTA

スタッフ採用で以前のサロンに本人の評価を聞いてよいか


スタッフを中途採用する場合、そのスタッフが勤務していたサロンやクリニック(以下「サロン等」といいます。)に、そのスタッフの評価を尋ねてよいのでしょうか。これは、いわゆる、前職照会などといわれるものです。


結論からいうと、これはできません。自分とスタッフの過去の勤務先のオーナーがいくら親しかったとしても法的には同じくダメです。


ダメな理由1:個人情報保護法

個人情報保護法上、一部の例外的な場合を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで個人情報を第三者に提供してはならないことになっています(個人情報保護法第23条1項)。スタッフの前の勤務先に、当人の評価を聞くことは、当該スタッフの個人情報の開示を求めることになりますので、これを開示すると個人情報保護法違反となります。つまり、聞くこと自体は違法ではないのですが、答える側が答えると違法になってしまいます。したがって、相手のサロン等に迷惑をかけないという意味でも、これは避けるべきです。


ダメな理由2:職業安定法

職業安定法第5条の4は、募集採用等の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集しなければならないとしています。また、この条文の解釈を示す厚生労働省の指針(※)は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこととしています。スタッフの前の勤務先に、本人の評価を聞くことは、本人から直接収集するものではなく、本人の同意もないので認められません。


(※)「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が 均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業 者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者 供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」(平成 11 年労働省告示第 141 号、最終改正令和2年厚生労働省告示第 160 号)


以上の例外として、サロン等が本人に対し「前の勤務先にあなたの評価を聞いてもよいですか」と確認し、本人がこれを承諾する書面を提出した場合には、本人の了承がありますので、前職照会も可能になります。どうしても前職照会が必要な場合にはこうしてください。


関連して、スタッフ採用面接でしてよい質問、よくない質問について、「スタッフ採用面接で聞いてよいことと悪いこと」で解説しているので、併せてご覧ください。